試写って結構重要

hosi
『試写って結構重要』



だいたい公開の2~1ヶ月前から、試写を始める。

試写には大きく分けて3つあって、“業務試写”“マスコミ試写”んで“一般試写”

各映画配給会社は20~30人くらい入れる試写室っていうのを持って(持ってないトコは、よそのを貸してもらいます)て、まずはそこに各劇場の支配人や興行チェーンのマネージャーをお呼びして、作品の品定めをする。これが“業務試写”。

ま、作品の値踏みって感じやね。「この映画はヒットするぞ!」とか「この映画では4週キツいなぁ!」とか、同時期にアプローチされてるよその映画と天秤にかけて頭の中で公開スケジュールを立てていくわけ。そりゃ中には業務試写だけして消えていった映画もありまっせ~。

次に“マスコミ試写”は、その試写室に事前にご案内状を出したマスコミ(新聞や雑誌の記者・TVラジオのタレントや制作者)に観に来てもらって、記事や番組で取り上げてもらうようプッシュするんや。

そこでも作品の出来、不出来で大きく扱いの差が出るわけ。

マスコミなんかエエ加減なもんで、メチャエエ作品やけど地味で有名な俳優も出演てない小品ぽい作品やったら、何回試写やっても観に来てくれへんのに、アカデミーなんかにノミネートされたりした途端「試写いつやるんですか?」って逆に問い合わせが来て、「うちで特集組ませて下さい」とか言うてくるんやもん。。。

大作になったら、試写室やなくって劇場借りて大々的に『完成披露試写』ってのを開催します。最近は大作に見せる(?)ためにやったり、1回目の“一般試写会”をハクをつけるためにそう名づけてする場合があるわ。
テレビや新聞で「完成披露試写会にペア○○組招待!」って、俺なんかにしたら「なんやそれ?」って思てまう。いや、「完成披露の券、○○枚プレゼントで出すから、記事にしてよ、番組で取り上げてよ!」ってのは、俺も宣伝部の頃してたし、招待状来たら嬉しいし、絶対行くけどね。。。

完成披露試写会は基本的にはマスコミのみのご招待です。

その完成披露試写会でも、色んな人間の機微が出るネン。
今は亡き笑福亭松葉さんは、ご招待状を出した後、お葉書で「せっかくご招待いただきましたが、その日はこれこれこういう都合で伺う事が出来ません。これに懲りませず、またご案内下さいませ。」って丁寧な礼状が返ってきたりした。
上岡龍太郎さんは「ただで映画観せてもろたら、その映画の悪口言われへん!気に入った映画は金払って観ます。」って、絶対試写会には来はらへんかった。でもご招待状は送ってた。「次こんな映画やります」って感じで。

某漫才師のバカ野郎は、その人にご招待状送ったら、マネージャーから電話かかってきて「もう4枚いただけませんか?関係者も連れていきますんで」って言うから「あぁ番組関係者と来ていただけるんや~」って思ってお送りしたら、当日開場前にマネージャーが来て「席、予約出来ないですかね?」「いやぁ、今日はマスコミの方ばかりなんで、特別お席ってお取り出来ないんですよね~」。ほんで開場と同時にマネージャーが入って席を取ったかと思ったら、本人はなんと家族づれで開演ギリギリにやってきて子供や嫁とふんぞり返ってその席座ってた。

こんな勘違い野郎もおるねんで。

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